活動報告

福井大学産学官連携本部協力会

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「第31回福井大学FUNTECフォーラム」

日 時 2022年2月3日(木) 13:00〜16:00
会 場 繊協ビル 大ホール
参加者 産業界(リアル24名 オンライン30名)、大学(リアル34名 オンライン28名)官公庁(リアル7名 オンライン2名)
計125名

 2021年度の福井大学FUNTECフォーラムは、昨年のオンライン開催を挟んで2年振りのリアル開催となった。
 当フォーラムはFukui University New Technology Forumの略で、今年度で第31回目を数えるが、福井大学と福井大学産学官連携本部協力会の共催で、共同研究の成功事例の発表の場として、更なる推進を図るために開催されている。

 第1部のシーズ発表会は、オンラインによる公表となり、2月3日(木)午前9時から2月28日(月)17時まで実施された。

 第2部の全体会議では、まず、文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 拠点形成・地域振興室 室長 梅原弘史氏と経済産業省 近畿経済産業局 地域経済部 地域経済課 イノベーション推進室 室長 阿瀬太氏のお二方に来賓挨拶を頂いた。
 その後、福井大学産学官連携本部長の米沢教授から、活動の現状と今後の方向性などについて報告がなされたのに引き続いて、「経営で大切にしていること 全部お伝えします」とのテーマで、マセラティS.p.Aアジアパシフィック地域統括責任者の木村隆之氏による特別講演を開催した。

 講演では、木村氏がレクサス国内営業部の経験から得た顧客満足度No. 1の秘訣に言及され、ヒトによる競争優位の確立や顧客満足度の高い社員のコンピテンシーなどを例にブランド戦略についてお話いただいた。

第22回福井大学と福井大学産学官連携本部協力会とのトップ懇談会

日 時 2022年3月7日(月) 16:00〜17:45
会 場 福井商工会議所ビル B1F コンベンションホール
参加者 産業界(リアル25名 オンライン22名)大学(リアル39名 オンライン8名) 官公庁(リアル11名 オンライン3名)
計108名

 「第22回福井大学と福井大学産学官連携本部協力会とのトップ懇談会」は、新型コロナウイルス感染症流行の間隙を縫って、福井商工会議所ビル地下1階のコンベンションホールで、リアルとオンラインのハイブリッド開催を実施しました。
 今回のパネルディスカッションでは、新型コロナ感染症禍で産学官金がそれぞれどのように活動し、どのようなことを課題として感じたかなどを、福井大学産学官連携本部協力会の江守康昌会長(日華化学株式会社 代表取締役社長)がファシリテーターをしてディスカッションした。

  VUCAといわれる技術革新や感染症のまん延、更にはロシアのウクライナ侵攻など、近未来ですら予測不能で変化が突然に訪れる曖昧な社会において、リカレント教育による学び直しや社員の能力の再開発であるリスキリング教育への対応が一層求められています。 この様な中、福井大学の「ふくい型アプレンティス地域共創リカレント教育推進事業」が文部科学省に採択され、昨年夏から実施して参りました。 今回は、産学官連携活動を更に活性化させるために、「福井大学のリカレント教育の取組と今後」をテーマとして、第1部では末理事副学長による取組報告、第2部ではこの取り組みに関する産学官によるパネルディスカッションを行いました。 パネルディスカッション後の質疑でも、会場から活発な質問があり、関心の強さが伺えたものとなりました。


  末理事副学長からの取組報告の概要は下記の通り 当初受講対象者は、失業者・非正規雇用労働者・転職希望者(UIターン希望者含む)を想定して募集定員を30名に設定。 要請する科目はITスキル、ビジネスマナー、プレゼンテーション能力等の総合的な人材育成を目指し、ITスキルでは企業内でのシステム開発やセキュリティ開発で要件定義やベンダーとの意見交換のできる人材とした。(ITの即戦力育成プログラムではない) 受講期間は10月〜11月の毎金・土・日曜日で受講料無料。 当初は、募集定員を満たす応募者があるかどうか不安視されたが、県人会や県東京事務所を通じた県外への呼びかけ、マスコミを通じたPRに努めた結果、結果的には57名の応募があった。(内U・Iターン希望者は13名)。この中で、面接などを通じ31名に絞った。

  インターシップ受入には25社の企業に応じて頂き、全課程修了者は27名(4名は成果報告書未提出者)となった。 トップ懇談会時点(3月7日)では15名が就職内定者でU・Iターン者も含まれている。

  パネルディスカッションでは 産業界より「この取り組みは産学にとって非常に有益であり、来年度以降も引き続き取り組んでほしい。特にリカレント教育に絞ることなく、社員の再教育であるリスキリング教育にも取り組んでほしい」との意見を戴き、これに末理事副学長は「企業ニーズとしてリスキリング教育があることは認識しており、このプログラムに包含していくことも考えていきたい」「対象企業を絞ることなくすそ野の拡大をしていきたい」と応えた。

  また、産業界より「IT関係の業務では企業秘密などの情報に触れる機会があり、中途採用者をいきなり配属させるには躊躇するので、先ずは他の部署で企業になじむところから始めている」との発言対しては「ITスキルとしては率先力を要請しているわけではないので、企業としての対応は臨機応変にしていただきたい」とのことであった。
会場からは、
「県内中小企業も人材不足は深刻であり、中途採用は積極的に実施しているが、このリカレントプログラムに参加可能か」との質問があり、
「今後はすそ野を幅広くとらえて、取り組む方針であり、中小企業であってもインターシップの受入に積極的に応じて頂きたい」とのことであった。

  「参加者にはどのような方がいたか」との質問では、
「失業者や非正規雇用者だけではなく、受講中に勤務先を途中退社し、退路を断って頑張った方など、多種多様な方が募集に応じられ、かなりニーズがあると実感した」とのことであった。


  更に「このような取組みは北陸3県でも非常に珍しく、今後も積極的な取組みを期待したい」との会場からの声があった。