2026年年頭所感を発表しました。
カテゴリお知らせ
掲載日2026.01.15
2026年 代表幹事年頭所感
人口減少問題を直視し、幸せのバトンを次世代へ
~経営者の知恵と行動で福井の未来を拓く~
福井経済同友会
代表幹事 吉田 真士
代表幹事 小林 秀夫
2025年は、世界中で大きく不確実性が増した一年でした。米国の関税政策や外交政策が国際社会を揺さぶり、東欧、中東、東アジアなど各地の地政学リスクはさらに高まり、グローバル・サプライチェーンの再編などが進みました。国内では日本憲政史上初の女性総理大臣の誕生で停滞感の払拭が期待されますが、政界再編や対中関係の悪化など新たな懸念材料が生じています。国内経済は、輸出や設備投資は堅調だったものの、物価高の影響で国内消費は力強さを欠きました。「2025年問題」と言われた、高齢化による人材不足が顕在化し、企業経営や社会保障制度の持続可能性がクローズアップされました。
福井県は、全国に先駆けて人口減少と高齢化が進行している地域の一つです。若年層の県外流出は続き、地域経済の担い手不足は深刻さを増しています。消費市場の縮小にもつながっています。若年層は、その能力を十分に発揮し、生きがい、やりがい、そして成長を得られる「場」を求めており、経済界はそれらを提供していく責任を感じなければなりません。
当会は福井県と共同で、人口減少問題の緩和やウェルビーイング社会の実現に向けた「ふくウェル」*①などの取り組みを進めてきました。福井県の幸福度は客観的評価米②で12年連続全国1位ですが、2025年の全国調査では主観的幸福実感評価米③でも日本一になりました。北陸新幹線の県内開業効果が大きな要因でしょうが、当会の活動も幸福度上昇の一助になれたと考えています。今後もさらに人口減少問題への対応をメインテーマに真剣に取り組み、若者や女性が企業や地域へのエンゲージメントを高め、働きたい、住みたいと思う福井県を、次世代につないでいきます。
北陸新幹線の大阪延伸に目途を付けるのも、次世代への責任です。小浜京都ルートは、関西圏をはじめ中国・四国・九州という西日本の巨大経済圏と北陸を直結させ、新たなビジネス機会の創出、観光需要の劇的な拡大、そして人材流動性の向上を促す、福井経済の成長戦略の「生命線」です。南海トラフ地震の発災が予想される中*④、東京一極集中から多極分散型社会へ、そして多極をつなぐ国土軸のリダンダンシーの確保としても、その重要性は極めて高いと認識しています。関西、京都など沿線同友会との連携に努めます。
日本のエネルギー安全保障の観点から、原子力発電所の有効活用も重要テーマのひとつです。美浜原子力発電所では、新増設やリプレースに向けて地質調査が始まっています。原子力の長期的な活用の議論をさらに深化させ、脱炭素社会実現の観点から再生可能エネルギーの導入や省エネルギー対策についても研究を進めます。
2026年は福井県にとって、課題から目を背けることなく、未来への投資を加速させる「勝負の年」となります。私たち福井経済同友会は、経営者の叡智を結集し、この厳しい時代の羅針盤として、地域の発展に尽力する所存です。
*①福井県の幸福度ランキングが6回連続12年間日本一となり、県民一人ひとりの幸福実感をさらに持続的に高めるために作られた官民共創組織。「幸福度日本一の社会基盤」と「県民一人ひとりの高い幸せ実感」の両方が実現された「日本一の幸せ実感社会」のモデル構築を目指す。
*②一般社団法人日本総合研究所による客観指標による都道府県別幸福度調査で、福井県は2012年から12年連続日本一の評価を得ている。
*③デジタル庁ウェルビーイングダッシュボード(Dashboard Regional Well-Being Index)による2025年のアンケート調査で、主観的評価でも日本一の結果になった。
*④南海トラフ地震の発生確率:政府の地震調査委員会は2025年9月、今後30年以内に発生する確立を「20~50%」から「60~90%以上」に見直した。被害想定は死者29万人、経済被害は292兆円と想定。なお、首都直下地震は2004年に今後30年以内の発生確率を70%とし、経済被害予想額は2025年に83兆円と試算した。