新時代の幕明け 未来への挑戦

福井経済同友会
代表幹事     林  正博
代表幹事     清川  肇
代表幹事     吉田 真士

 2024年3月、待ちに待った北陸新幹線の敦賀までの開業が実現し、福井県にとって歴史的な転換点が訪れます。県内には一気に4つの新幹線駅が誕生し、人やモノの流れが大きく変わります。

 まず開業効果を最大化し、そして、それを一過性のものにとどまらせないように長期的視点で新幹線活用の取り組みを深めることが重要です。

 特に、北陸新幹線は大阪まで延伸することでその効果が最大化されます。日本海側での基幹交通の整備による国土軸の2軸化は、北陸において新たな経済圏の形成を促すとともに、近い将来に発生が予想される大規模災害時に太平洋側の基幹交通に対するリダンダンシーとしての機能も果たします。

 我々は北陸新幹線の敦賀以西、大阪までの一日も早い着工に向けて機運を高めていくとともに、2026年開業予定の中部縦貫自動車道の活用についても検討していきます。

 北陸新幹線開業から1か月後の4月には、当会が主催する「第36回全国経済同友会セミナー福井大会」を開催します。全国から1,000人規模の経済人を招き、福井の産業、文化、観光資源、食などを体験していただき、その経験と感動を全国に発信する絶好の機会として、福井県の魅力を更に広く知らしめることを目指します。

 一方で、福井をはじめ日本における喫緊の課題は人口減少に対する対策です。流出が止まらない若者にやがて福井へ戻ってもらうために、如何に地域を活性化し、豊かさや幸せを実感できる魅力を絶えず創出してゆくことが重要だと考えています。

 4月の全国セミナーではこれら人口減少に関わるテーマをメインに取り上げ、幸福度日本一、有効求人倍率日本一といった実績にもかかわらず、人口減少のスピードを抑制できていない福井県の課題をはじめとして、地域が抱える問題点を、全国から集う経済人とともに議論します。

 福井経済同友会は、今年も「福井らしさ」を磨き上げる重要性を訴えると同時に、結婚や子育てしやすい環境の整備、教育水準の向上、ウェルビーイングの向上など、地域の成長と発展のために精力的な活動を展開していきます。さらに、北陸新幹線開業を契機として、福井県が全国から注目を集める豊かで住みやすく魅力的な県に進化できるよう、福井の未来に挑戦していきたいと考えています。

以上