人口減少問題への挑戦
福井経済同友会
代表幹事 清川 肇
代表幹事 吉田 真士
代表幹事 林 正博
今の日本はたくさんの課題を抱えていますが、突き詰めていくと「人口減少対策」が最重要だと考えています。昨春、福井で開催した全国経済同友会セミナーでも人口減少をメインテーマに議論を交わし、経済界の責任が重いことを再認識しました。地方創生を実現することによる東京一極集中の是正が不可欠であり、そのためには地方の魅力や企業の魅力をもっと上げていかなければなりません。出生数の改善が急務で、景気との相関関係も指摘されるところです。経営者にはこれまで以上に社会課題を意識した経営が求められています。
当会は「人口減少問題を考える委員会」を発足させ、広く学びを続けています。産学官が一体となって取り組む必要性が見えてきて、その中での経営者の役割などを研究しています。
また、人手不足はすでに企業経営の大きな課題としてのしかかってきています。DXの推進、生成AIの積極活用などで業務の効率化、生産性の向上を目指すべきで、若手社員らの活躍も促していかなければなりません。個別委員会で、ウエルビーイング経営の推進や、会員企業の若手社員の交流の場を設ける取り組みなどを進めています。社員の成長意欲を刺激し、一方で経営者も新しい視点やアイデアを吸収し、イノベーションの発芽になること、福井の活性化につながることを期待しています。
多数の原子力発電所を抱える福井県としてエネルギー問題についてもあらためて関心を深めており、昨年末には提言を発表しました。低廉で安定的なエネルギーの確保は日本の重要なミッションであり、ESGを意識して再生可能エネルギーの導入、省エネ対策などを進めてカーボンニュートラルを目指さなければなりません。
ESG: Environment(環境) Social(社会)Governance(ガバナンス(企業統治)を考慮した投資活動や経営・事業活動を指す・
北陸新幹線の小浜京都ルートによる大阪への早期延伸についても積極的に取り組みます。関西北陸地域に限らず、日本全体への大きな経済波及効果が期待できますし、国土軸のリダンダンシー(複線化・多元化)としても不可欠です。昨年は東海地方の豪雨や保守用車両の事故によって東海道新幹線がたびたび運休し、北陸新幹線の有用性がクローズアップされました。関西経済界とのさらなる連携を模索し、延伸を積極的に支援することにより、地域経済及び日本経済の底上げに寄与していきたいと考えています。
以上