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Go for The Best 〜オール福井で、最高を目指す。〜

福 井 経 済 同 友 会
代表幹事   江守  康昌
代表幹事   林   正博


 今年は平成時代大詰めの年である。大正や昭和といった元号がその時代を映す鏡となったように、平成が生み出した文化や価値観に一つの区切りがつけられ、新たな元号による新たな時代の幕開けを目前に控えた年となる。また明治維新から数えて150年ということもあり、国民それぞれが、折に触れ、時代の変わり目を平年以上に感じることであろう。

 さて、福井においては、昨年は北陸新幹線の新大阪までのルートが決定し、新幹線開業効果に沸く北陸への関西圏からの玄関口としての展望が開けた。また、2014年の舞鶴若狭自動車道の開通に続いて中部縦貫自動車が大野まで開通し、小浜大野間が2時間弱で結ばれるようになり、嶺南嶺北の距離感が心理的にも物理的にも縮まる大きな転機を迎えた。高浜原子力発電所の再稼働は、国のエネルギー政策にも、嶺南経済にも進展をもたらした。今年は、今上陛下のご臨席が最後となる「福井しあわせ元気」国体・障スポが開催されることもあり、より多くの世間の耳目が福井に集まる機会にも恵まれる。

 このような環境下、我々は高速交通網開通や北陸新幹線による北陸圏の認知度向上を活かし、他の地域との連携や関係を深め、福井の独自性や魅力を発揮し、洗練する機会を内外に多数設けることに努める。また、目前に迫った北陸新幹線県内延伸に向けて、県や各自治体、各関係機関と共に、その先にある「福井らしい地域像」の共有化を図り、開業時インパクトの最大化について、全県下での気運の盛り上げに尽力する。

主たる実施事項は以下の通り。

■産業育成は、昨年提言した「しあわせ元気産業」のように、業種や地域をまたいだ新たな産業カテゴリーの創造、および時代感覚に応じた価値を創出するスタートアップ企業のバックアップ体制づくりに取り組む。

■人材育成は、継続して若年層の県内企業の就労体験機会の拡大を図るとともに経済人と若手教諭との交流機会を設け、次代を担う生徒およびそれを育む教諭に対し、県内企業や企業活動の認知度および理解向上を図る。

■観光政策は、県でも検討が始まった日本版DMO(注1)について、積極的に支援ならびに関与し、その早期設置と機動的な観光地経営の実現を目指す。

■まちづくりでは、早い時期に北陸新幹線の福井駅と南越駅(仮称)に関する提言を行う。特に福井駅については、県庁の早期移転を前提とした駅周辺のまちづくり案を示す。この2駅の後に芦原温泉駅、敦賀駅についても同様に実施する。

■会員交流は、会員同士の交流にとどまらず、他地域の経済同友会、福井商工会議所をはじめとした県内他団体と、具体的な政策に基づいた交流機会を設けるとともに、国内外の先進地への視察や研究を行う。イベントとしては100名以上の日本海沿岸の経済人が集う「日本海沿岸地域経済同友会 代表幹事サミット」を11月に開催する。

■これら全ての活動において、「福井らしさ」とは何かを常に念頭におくとともに、「福井らしさ」を会員のみならず、県民が共有し、他に顕示できるような啓蒙活動を実践する。

 我々は経済人であるとの矜持の元、常に目指すべきものが、我々がなしうる最善ではなく、福井として得る結果が最高であることを心がけたい。最高の結果をだすために、関係各位とのコミュニケーションならびに関係性を深め、相乗効果を発揮すべく一層奮起する所存である。

 オール福井で、最高を目指すために、多くの方々のご支援を賜りたくお願い申し上げる。


以上

TOPIC

2024年4月「全国経済同友会セミナー」開催決定!

経済同友会最大のイベントであり、全国から2000人近い経済人が集う「全国経済同友会セミナー」の2024年4月の福井開催が決定した。北陸新幹線の福井駅開業のちょうど一年後にあたるこの時期での開催は、新幹線の敦賀延伸と福井の魅力をアピールするまたとない機会であり、今後、関係機関の協力を得ながら準備を進めてゆく。さらに新幹線効果の継続性を図るために、他の経済団体をはじめ、福祉、スポーツ、文化等々、あらゆる団体の大規模コンベンションを新幹線開業時期にあわせて、積極的に招致するように呼びかける。

注1)日本版DMO:「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/page04_000053.html